水素
数学で 1 という数字は特別な数字だといいます。
化学でも 原子番号1番の水素 はかなり特殊な元素です。
周期表では1族に分類されていることが多いのですが
1族の他の元素(いわゆるアルカリ金属)とは似ても似つかない
そもそも水素は非金属元素です。
17族に分類すべきだ という人もいます。
確かにハロゲンと同じように2原子分子になりますが
1価の陰イオンにはなりにくいのでやはり適当ではありません
水素はどの族にも属さない特殊な元素 と考えたほうがよさそうです
いちおう価電子が1で1価の陽イオンになることもある ということで
便宜上1族に分類されている と考えればいいでしょう。
化学を学び始めるときに厄介なことがまず
元素と単体がしばしば同じ名称で呼ばれる ということです。
元素とは 原子番号で区別した原子の種類 であり
単体とは 1つの元素からできている物質 です。
つまり 原子番号1番の元素である水素 だけからできている物質 は 水素 と呼ばれるわけです
単体の 水素 は常温で気体であり 物質ですから質量があり化学反応をし
無色無臭とか 融点 沸点 密度 などの物理的性質があります。
これに対して元素としての水素は実体がありませんから
感覚でとらえることのできない概念です
水素原子には質量数の異なる同位体がいくつか存在するわけですが
それを区別せず原子番号(=陽子の数)だけで区別していった原子の種類が元素なのです